自動車部品メーカー:DocFlowで検査成績書と受入検査記録を自動化し、ロットトレーサビリティ効率を大幅に向上

 

DocFlowが品質検査文書の解析・抽出・校正・ロット別アーカイブを支援し、品質管理業務の効率化と標準化を実現  


お客様の概要

 

本お客様は自動車部品メーカーであり、完成車メーカーおよび一次サプライヤー向けに、精密金属加工部品や組立部品を長期にわたり提供しています。複数の生産拠点を持ち、多数の材料サプライヤーや加工協力会社と継続的な取引関係を築いています。

 


背景と課題

 

同社ではERP、MES、QMSを整備していましたが、品質検査の現場では、紙の検査表、PDFの検査成績書、Excel台帳、サプライヤーから提出されるCOAファイルなどが多く残っていました。品質担当者は、これらの文書に記載された品番、ロット番号、測定値、判定結果などを手作業でシステムへ入力する必要がありました。

 

サプライヤー数の増加、顧客からの品質要求の高度化、現場人員の逼迫により、従来の人手中心の処理では、品質トレーサビリティとサプライヤー管理の要求に十分対応しきれなくなっていました。

 

主な課題

 

検査成績書の転記に時間がかかる

 

サプライヤーから提出される検査成績書はフォーマットが統一されておらず、品質担当者は1件ずつ内容を確認したうえで、重要項目をQMSまたはExcel台帳へ入力していました。繁忙期には文書処理の遅れが、受入判定や品質集計にも影響していました。

 

サプライヤーごとの書式差が大きく、テンプレート保守が難しい

 

COA、寸法測定報告書、材料証明書などは、サプライヤーごとにレイアウトや記載方法が異なります。一部の文書には複雑な表、結合セル、手書きメモ、押印内容も含まれており、従来の固定テンプレート方式では頻繁な調整が必要で、保守コストが高くなっていました。

 

ロット別の品質記録が分散している

 

同一ロットに関する購買情報、受入検査記録、サプライヤー証明書、不適合処理記録、出荷検査報告書が、複数のシステムやフォルダに分散していました。顧客からトレーサビリティ要求が発生した際、品質担当者は関連資料の検索に多くの時間を費やしていました。

 

異常確認が担当者の経験に依存している

 

規格外の測定値、判定結果の不整合、必須項目の欠落などは、主に人手で確認されていました。新人が品質文書を処理する際には、判断基準をベテラン担当者に確認する必要があり、品質確認プロセスが属人化していました。

 


DocFlowのソリューション

 

複数回のサンプル文書検証と現場業務フローの評価を経て、同社はDocFlowを品質検査文書のインテリジェント処理基盤として導入しました。DocFlowは、検査成績書、検査記録、サプライヤー提出文書をAIで自動解析・抽出・校正し、品質チームの転記作業とロット追跡の負荷を大幅に軽減します。

 

1. サプライヤー品質文書と検査記録を一元的に取り込み

 

サプライヤーからのメール添付、スキャン画像、PDF検査成績書、Excel検査記録、QMSのアップロード入口をDocFlowに接続しました。システムは文書処理キューを自動で作成し、ファイルの出所と業務種別に応じて一次分類を行います。

 

対象文書には、以下が含まれます。

 

  • サプライヤー検査成績書
  • 受入検査記録
  • COA / COC
  • 寸法測定報告書
  • 材料証明書
  • 工程内検査表
  • 出荷検査報告書
  • 不適合報告書
  • 是正処置報告書

 

2. 品質管理に必要な重要項目を自動抽出

 

DocFlowは異なる書式の品質文書をインテリジェントに解析し、以下の情報を自動で抽出します。

 

  • 品番
  • 品名
  • ロット番号
  • サプライヤー名
  • 検査日
  • 検査項目
  • 規格値
  • 上限 / 下限
  • 測定値
  • 判定結果
  • 検査担当者
  • 承認者
  • 不適合内容
  • 処置結果

 

3. 文書を自動分類し、ロット別品質ファイルを作成

 

システムは文書内容に基づき、検査成績書、受入検査、工程内検査、出荷検査、不適合報告書などの文書種別を自動判定します。

 

さらにDocFlowは、品番、ロット番号、サプライヤー、製造指示番号を主要なインデックスとして、関連する品質文書を自動的に集約し、ロット単位の品質ファイルを形成します。

 

4. 規格値と業務ルールを自動校正

 

DocFlowは抽出した測定値を、同社が管理する検査規格と照合し、以下のような確認ポイントを自動で提示します。

 

  • 測定値が規格上限または下限を超えている
  • 判定結果と測定値が一致していない
  • 必須項目が欠落している
  • ロット番号が購買記録と一致していない
  • サプライヤー名がマスターデータと一致していない
  • 不適合報告書に処置結果が記載されていない
  • 是正処置記録がクローズされていない

 

システムは品質担当者の最終判断を代替するものではなく、確認が必要な異常項目を優先的に把握できるよう支援します。

 

5. QMS / MES / ERPと連携

 

確認後の構造化データはQMSへ自動連携され、ERPの購買発注・入庫ロット、MESの製造指示番号とも関連付けられます。

 

品質担当者は、品番、ロット、サプライヤー、顧客注文を起点に関連する品質記録をすばやく検索でき、品質トレーサビリティ、顧客問い合わせ対応、サプライヤー評価、社内品質改善に活用できます。

 


導入効果

 

システム稼働後、同社では品質検査文書の処理効率と自動化レベルが大きく向上しました。

 

1. 検査成績書の処理時間を約70%削減

 

従来は人手で項目ごとに入力していた検査成績書について、DocFlowが重要項目を自動抽出することで、品質担当者は異常項目と低信頼度項目の確認に集中できるようになりました。

 

2. 1件あたりの質検文書処理時間を約8分から2分以内へ短縮

 

標準的な受入検査記録やサプライヤー検査成績書では、文書解析、項目抽出、分類、初期校正までをシステムが自動で実行します。

 

3. ロット追跡時間を2時間から15分以内へ短縮

 

品質担当者はロット番号から、購買記録、サプライヤー証明書、受入検査結果、不適合処理記録、出荷検査報告書をすばやく確認できるようになりました。

 

4. サプライヤー品質評価をより精緻化

 

サプライヤー提出文書、受入検査結果、不適合記録、是正処置状況が構造化データとして蓄積されるため、サプライヤーごとのロット合格率、異常発生頻度、改善効果をより正確に分析できるようになりました。

 

5. 品質担当者が入力作業から異常分析へシフト

 

DocFlowにより、反復的な転記作業と文書検索作業が削減され、品質担当者は異常確認、原因分析、改善活動により多くの時間を割けるようになりました。

 


まとめ

 

DocFlowの導入により、同社は検査成績書、検査記録、サプライヤー提出文書に分散していた品質情報を、校正可能で追跡可能な構造化データへと統合しました。これにより、人手による転記と照合作業を大幅に削減し、品質検査文書の処理を「担当者の経験とテンプレート保守に依存する運用」から「AI解析、ルール校正、ロット別アーカイブによるインテリジェント運用」へと進化させました。

 

本取り組みは、今後の品質トレーサビリティ、サプライヤー管理、基幹システム連携を支える安定した基盤となっています。

 


※ 本事例の数値データは導入企業提供資料に基づきます。